マクロ経済レポート

【2025年3月12日版】 65歳〜85歳の日本の個人投資家に捧ぐ ──いま世界で起きている「10の重大ニュース」とその株価への影響レポート──

執筆者:川口 由美子


◆第1位:日銀ついに利上げ決定!37年ぶりの金融大転換──「眠っていた預金」が再び力を持つ時代へ

2025年3月。あなたがこれまで人生をかけて築いてきた大切な資産。その価値を守るための“金利”が、ついに動きました。

バブル崩壊以降、ゼロ金利やマイナス金利という異常事態が続いてきた日本。しかし今、日銀はその時代に終止符を打ちました。政策金利は0.5%。預金に「利息」という名前の光が再び灯り始めたのです。

これにより、三菱UFJや第一生命など金融株には朗報が届きました。長期保有で配当を得たい方にとって、これは見逃せない好機。ですが一方で、不動産ローンを抱える人々には新たな重荷。不動産や建設株には向かい風が吹きます。

今、私たちは“金利の目覚め”という、昭和の金融常識が再来する瞬間に立ち会っているのです。


◆第2位:「日本製品に24%の関税」──アメリカが突きつけた“静かなる宣戦布告”

「これは、経済戦争だ」──そう囁かれても不思議ではありません。2025年4月、アメリカが突如発表した「Liberation Day」政策。日本製品に対して最大24%もの関税を課すという、冷ややかで強烈な一手です。

かつての貿易摩擦を知る皆さまなら、その恐ろしさは身にしみていることでしょう。輸出に頼るソニー、日立、トヨタ……彼らがアメリカ市場で戦うには、これまで以上に過酷な現実が待ち構えています。

為替も円高方向に動けば、ダブルパンチ。この春、日本のものづくりは試されます。


◆第3位:アメリカの自動車関税25%──「昭和の誇り」が再び試される時

日本の戦後復興を支えた“自動車産業”。トヨタ、ホンダ、マツダ、スバル……これらの名前は、私たちの生活の一部であり、誇りでもありました。

しかし今、アメリカは彼らに対して25%の関税という“壁”を築きました。自由貿易を支えてきた歴史が、静かに覆されようとしています。

自動車本体だけでなく、部品メーカーも同様に直撃。アイシン、デンソー、住友電工──技術で支え続けてきた企業群にも、厳しい現実が迫っています。

我々が持つべきは、「過去の栄光」ではなく「今の現実」に向き合う覚悟なのです。


◆第4位:戦争の足音──あなたの資産を“守る盾”は何か?

イスラエルとイラン、ウクライナとロシア、そして米中の睨み合い。地球規模の緊張が、今この瞬間にも高まっています。

こうしたとき、株価は大きく揺れます。しかし、揺れる中でも「揺れない企業」があります。それが防衛、通信インフラ、医療供給網──私たちの暮らしを支える根幹です。

NEC、IHI、三菱重工──戦時下でも必要とされる企業にこそ、資産の“避難先”があるかもしれません。


◆第5位:世界最大の機関投資家ブラックロックが「日本株に惚れた」その理由

「今こそ、日本だ」──ブラックロックの発言が、世界を動かしています。

40年以上、日本企業がここまで収益性を高めたことはありませんでした。キーエンス、ファーストリテイリング、リクルート──世界が評価する銘柄が次々と登場しています。

この追い風に乗るには、「外資が買う株は何か?」を見極める目が必要です。そして、外資の資金が入る今こそ、長年日本株を信じてきたあなたにこそ“報われる瞬間”が来ているのです。


◆第6位:「物価が上がる、でも賃金も上がる」──この“綱引き”にどう立ち向かうか

スーパーでの買い物が高くなった、そんな実感はありませんか?

コアインフレ率は3.1%。でも、今年の春闘で大手企業は賃上げを実施。ようやく「賃金が上がる社会」が見えてきました。

だからこそ、現金を眠らせておくのは危険です。インフレに強い資産──たとえば高配当株、REIT(不動産投資信託)、コモディティETFなどを、今から考えておくべきなのです。


◆第7位:「財務省を解体せよ」──国民の怒りが政治を、そして経済を変える

3月14日、永田町を埋め尽くした群衆。掲げられたプラカードには「財務省解体」「消費税廃止」。その叫びの背後には、年金、医療、介護──高齢者の生活を揺さぶる課題が山積しています。

一部では暴動も発生。日本経済はかつてない混乱の中にあります。

だが、同時に「減税期待」が膨らんでいることも事実。セブン&アイ、イオン、マツキヨなどの消費関連株は、思わぬ恩恵を受けるかもしれません。


◆第8位:「もう高すぎる?」──日経平均の過熱感と“真実の割安株”

日経平均はバブル後最高値を更新。しかし、本当に高すぎるのでしょうか?

答えは「NO」。TOPIXのPERはわずか11.5倍。これは世界的に見ても割安水準です。

今、求められるのは「数字を見る目」。ROE、利益率、配当性向──企業の“中身”を見極めた投資こそ、乱高下に惑わされない資産形成の要となるのです。


◆第9位:「世界の中央銀行が動かない」──この“静けさ”にどう向き合う?

インフレが落ち着いてきたにも関わらず、FRBもECBも利下げを行わない。世界は今、「様子を見るフェーズ」に入りました。

これは、金利が“高止まり”するということ。つまり、利回りに敏感な株──不動産、建設、公共インフラなど──に再び資金が流れ込む可能性があります。

沈黙の裏に潜む“動き”を見逃してはいけません。


◆第10位:アジア経済が冷え込む──総合商社と輸出株に迫る“足元のリスク”

中国、インド、ベトナム──かつて「成長の星」と言われたアジア諸国が、いま陰りを見せています。

丸紅、三井物産、伊藤忠……アジアで展開する商社にとって、これは厳しい試練です。一方で、国内での雇用創出や内需回帰に強みを持つ企業──西濃運輸や地方建設株など──には再評価の兆しも。

海外に目を奪われず、足元を見直すときです。


【結び:あなたの経験が「最高の投資指標」になる】

65歳以上のあなたへ──あなたが歩んできた時代、見てきた経済、感じてきた変化。それは、若い投資家が持ち得ない「最強の知識」です。

株式市場は、知識と経験が交わる場所。いま、世界は動いています。その動きを、あなたの“知恵”で読み解いてください。

人生は、いつからでも“攻め”に転じられます。投資もまた、同じです。

── 川口 由美子


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